黄単オルエン(カマタさんからの寄稿記事)
※今回はFEサイファチームCS、2019/1/13 オスティア闘技場で見事決勝トーナメントに駒を進めた、カマタさんの黄単オルエンの解説記事です。
以下、全てカマタさんご本人が執筆された文章を掲載させて頂いております。
こんにちは、カマタと申します。
横浜近辺でサイファをプレイしていますが、最近はスマブラにお熱のため店舗大会には出ず、集まりやすい人とフリー対戦することが多いです。
今回紹介するデッキは、1/13日に開催された第8回オスティア闘技場で使用した【黄単オルエン】(フリージターボ)です。
<概要>
主人公である3c/4cオルエンの効果を毎ターン使用し、継続的にドローしながら相手主人公を攻撃していくビートダウンデッキです。絆エリアに置いたカードのほぼすべてをドローにあてがうことで、必殺・回避札を揃えてフィニッシュします。
原作ゲームに登場するフリージ公国にゆかりのあるキャラクター達をメインギミックとして採用していることと、ターボデッキ(デッキから多量にドローしたり、序盤からマナ加速するデッキ)の要素を持っていることから、このデッキをフリージターボと呼んでいます。
<基本的な動き>
マリガン基準は基本的に3cオルエンです。3cティニーや1cセリスといったドローのキーとなるユニットがいれば4cでもOK。
3cオルエンのスキル『己の信じるもの』で3cティニーを絆に置くことで、『トードの血』によるドローを毎ターン継続して行います。これにより、後続の出撃カードやオルエンの回避札を集めることができます。
動きは2ターン目に3cオルエンCC→3ターン目3cフレッド出撃が理想であり、戦闘力80から2回攻撃できるうえ常時80のフレッドを処理するためにリソースを割かせます。
以降は3cフレッド・3cセリス・4cイシュタルを出撃させて相手を攻撃するのと平行して、
1cディアドラ・1c/4cユリアのスキルで5cセリスを置きBS『光の印』で表絆を増やします(増やした絆はまたドローに活用します)。
フィニッシュターンは絆6~7で、手札のキャラを3c+4cや3c+3c(+1c)または3c+1c+1cと出撃させて、上級ユニットによる80↑の攻撃+下級ユニットの必殺を絡めて相手を詰めます。
<各カード紹介>
・1cオルエン
スタートカードとなるオルエン。バニラ30魔導なので辛い。
回避札としてデッキに2枚入れていますが、BS『トードの血』はやる気あるのかってくらい効率が悪いので基本的に使いません。
・3cオルエン
15弾で追加された、このデッキのキーカード。
『己の信じるもの』でオルエンや3cティニーを置きドロー補助をすると共に、自動的に攻撃力を+10させることができます。上記のカードが無い場合も、なるべく毎ターン使用しましょう。
3cフレッドがいないと60打点しか出ないので、4cに乗り直しCCしないといけない場面もあります。
・4cオルエン
フリージ公国の軍人(高卒)。原作ゲームにおいて魔法と剣を両方使える騎兵として仲間になるオルエンが好きで、登場した10弾時点でこのデッキの原型となるオルエン主人公デッキを組んでいました。
『誇り高き決意』はドロー+打点向上であり、ビート向きの能力です。1cセリスや手札の余ったオルエンを変換していきましょう。
オルエンの代名詞とも言える『ダイムサンダ』は、残念ながら積極的には使用しません。
オルエンの高打点攻撃を失ってアクション+2リバースでカード3枚分のコストを払っているのに対し、撃破できる敵ユニットは2枚だけだからです。今からでもアクションか2リバ消してくれないかなぁ。
ただし、回避持ちの3cノノ/ンンや、後列の13弾5cエリウッドなどを処理するために使ったほうがいい場面もなくはないです。
・3cティニー
フリージ家の血を引く、怒りっぽいツインテ。
絆エリアに置かれたこのカードを3cオルエンのスキルで退避送り→再び絆に置いてBS『トードの血』によるドローを繰り返すことが勝利への道。3cオルエンで再利用するためにはこのユニットが表になっている必要があるため、1ターン目の使用や2ターン目の全裏使用は避けましょう。
絆の魔導を捨てて必殺もできるため、詰めにも役立つカードです。
・3cフレッド
フリージ公国の軍人でありオルエンの副官(年上)。
原作ではオルエンの付属品的な扱いなので収録は無いかな~と笑っていたところ、まさかの超優遇スキルを引っさげて参戦。常時スキル『忠実な副官』によって、オルエン横であれば3c80支援10のユニットとなる。多分10弾だったら自ターンのみだった。
オルエンの戦闘力も上がるため、フレッドを維持することが主人公オルエンのライフを守ることにも繋がります。可能な限り手札に集めて何度も回避/出撃させたいユニットです。
後列に移動した相手主人公を『雷の剣』で追撃することができるのも地味にオルエンと噛み合っています。
・1c/4cイシュタル
フリージ家の王女。でかい。
1cは相手に裏絆があれば40になれる優秀なカード。1ターン目にも可能なら出撃させたいです。
4cはお馴染み『トールハンマー』で、ドローで集めた手札を捨てて相手を妨害しつつ高打点で攻撃可能な点でデッキコンセプトに沿っています。
『闇に捧ぐ愛』は使用するための表絆が足りない場合が多いので無理に使う必要はありません。
このデッキでの4cが重いことと、デッキとして1cの枚数が欲しいことから上級2:下級4のバランスで採用。
・1c/3c/5cセリス
それぞれ下記のような役割があるため、数枚ずつ採用。
1c:4cオルエンの絆コスト、英雄紋章、1ターン目出撃要員
3c:3ターン目出撃要員、ダークサイレンス適用化で出撃可能、裏絆のオルエンを表にする
5c:魔法カードとしてユリア/ディアドラで設置し、表絆を増やす。ごくたまに出撃して『最後の聖戦』で裏絆を回収する。
いずれも、手札に回避札のある状態で出撃させると有利な場面になることが多いです。
1cは先手でも1ターン目に出しておくことで、オルエンのライフを守ることに繋がります。
・1c/3cディアドラ
1cは1ターン目出撃要員であると共に、中盤には出撃させ退避から5cセリスやオルエンを拾えます。また、祈りの紋章はフレッドやセリスを必殺から守ることが何度かあります。3cは3ターン目の出撃要員であると共に、詰めの場面で『ディアドラの涙』による絆エリアからの必殺札回収が強力です。『オーラ』による70打点攻撃も、攻撃を通す機会の増加に貢献しています。
・1c/4cユリア
アサユリであれば実質フリージ家の一員。
1cは手札の5cセリスを置くことが主な役割です。絆エリアからカードを手札に回収する動きは黄色ならでは。
4cは積極的に撃破効果『ナーガ』による絆増加効果を狙います。置くカードの優先度は5cセリス>オルエン>1cセリス(絆エリアに裏絆とティニーがある場合)。
『竜王に連なる者』は詰めでの80打点にもなり、支援失敗をケアできるスキルでもありますが、使った場合は撃破に成功しても絆の総枚数は増えません。絆を増やすため、序盤に展開した相手の下級カードはオルエンのダメージレースに問題ない範囲で放置しておき、ユリアの餌にするといいでしょう。
・1cフィー
アサフィーであれば実質フリージ家の一員。
フレッドが下げられた場合等に出撃する運び手ですが、基本的には出撃せず絆に置いたあとオルエンのスキルで退避に送ります。
・5cトラバント
突然黄色に与えられたナイスデザインカード。
相手の手札を5枚にする『死を呼ぶ罠』はいわゆる待ちデッキに対する抑止力でもあり、見せるだけでも相手に警戒させる役目があります。
序盤からのビートで相手に手札を抱えさせた場合には出撃しハンデスを狙いますが、普通のデッキ相手であればそこまで大量に捨てさせられる機会は少ないです。
<入れようか迷ったカード>
1cシェイド
フレッドを常闇の翼から守れるカード。コスト無視効果と魔術紋章も有用だが、イシュタルと枠を取り合うため今回は不採用。
15弾4cリーフ
ユリアよりも相手に依存せず絆を伸ばせるカード。このデッキだと表絆の重要性が高く裏で伸ばす恩恵が得られにくいことと、BSによる引っ張りが不要だったため不採用。
<使用結果>
1/13日に開催された第8回オスティア闘技場において、「チームK色の民」で出場。
残念ながらチームはベスト8止まりでしたが、個人戦績は4-2となんとか勝ち越すことができました。
先手で3cを持てたゲームが多かったこともありますが、ドローによる安定度が高いというデッキの強みを活かせたかなと思います。また、80↑の高打点を出せるユニットが多いため、15弾環境で猛威を奮っているカムイ(女)にも辛うじて対抗できました。
大会参加レポートは下記。
・1戦目:青赤リズ(バトルシスター軸) 先手 勝ち (チーム負け)
初手に3cオルエンあり。
リズ1cが攻撃できないため、早期に殴り切るプランで動く。1t目にセリスを出撃させ、返しのエッツェルの攻撃を回避。2tCCで2パンを通す。3t目にドローで引き込んだフレッドを出撃させ、圧をかけていく。相手はバトルシスターに最速CC。3t目に1cマリアベルが出撃してフレッドが普通に撃破されるが、続いて回避持ち3cセリスで引き続きオーブを削る。 3cレナで盤面を作られたが、相手がセリスを倒すための1c必殺を祈りで耐え、返ったターンで必殺を絡めてそのまま詰め切ることができました。
こちらの強みであるマウントとドローを活かせた対面。
・2戦目:不戦勝
・3戦目:黒白マークス 先手 勝ち(チーム勝ち)
先手3cオルエンあり。
2t目にCCするが、相手は事故らしく3t目にDBエリーゼとDBカミラを出撃させて殴り合いとなる。フレッドが出せずオルエンの回避枚数も少なかったため、ゆっくり盤面をとる展開にシフト。ユリアによる絆ブーストは成功したものの、返しにダークサイレンスを打たれ、 連続回避によるレオン生存から15弾4cオーディンによるオーブ2割を決められてしまう。あいつ強いよね… 幸い、引けなかったぶんのオルエンがオーブに1枚入っていたため生存でき、相手のハンドと絆が少なくなったところでトールハンマーで出撃を絞ったあと詰め切って勝利。
・4戦目:黒青カムイ(女) 先手 勝ち(チーム勝ち)
初手に3cオルエンあり。
先手で横セリスを出撃させるも、相手は1cベルカでオルエンに攻撃を通しつつ横撃破される。
最速CCからフレッド出撃でマウントをとり、カムイの必殺を強要させる。さらにユリアの絆ブーストに成功するも、返しに4cチキ乗り+常闇によって一気に押し返される。しかしこの時点で相手のハンドを切らせていたことから殴りきり可能と判断。暗夜王レオンのダークサイレンスを発動された返しに引き込んだフレッドとセリスを出撃させ、セリスでレオンを撃破した後2パンをカムイに通して勝ち。先手で上手く回ってくれたおかげでなんとか勝ちをもぎ取れた。
不戦勝を含むもののチーム3-1で予選突破。
・本戦1戦目:黒白サイラス 後手 負け(チーム負け)
初手に3cオルエンあり。
1cカムイ男女を処理しなくてはならないため、かなり不利な対面。マウントをとり炎刃カムイ(女)の展開を耐えきるべくドローしていくが、1c天馬や1cセリス等しか集まらず苦しい展開。セリス・イシュタルを壁にして下がりつつ、手札が揃ったためオーブ2枚相手手札4枚から5パンを試みる。が、1cフィー攻撃時に支援10のフレッドを捲り、さらに相手サイラスがカムイ支援で100のため必殺が打てず、これが原因で1パン足りず。デッキ枚数がこの時点で2枚のため、フィーだけでなくフレッドの枚数確認で上記の確率は減らせたはず。チーム負けとなり、非常に悔しい一戦となった。
・本戦2戦目:黄紫ナンナ 先手 負け(チーム負け)
初手オルエンなし
CC事故。CCできず 何も出ず・・・ 空虚なターンを過ごす一方で相手は順当に3c→5cに乗り継いでいき、盤面を作り始める。
こちらは4ターン目に4cに乗れたものの、絆にオルエンが一枚もなくドローもできず。
数ターン後に5cリーフの半島統一で5cシグルド+5cセリス+4cユリアと出され、2枚割を2回もらって無事死亡。こうして黄色の潰し合いは幕を閉じた。
・本戦3戦目 紫赤リン 後手 勝ち(チーム勝ち)
初手3cオルエンあり。
序盤にオーブが割られやすく苦手な対面。が、相手乗り遅れで5cに乗るまでオーブは3枚残せていた。こちらがドローエンジンは構築できたものの手札が強くなかったが、リン等の支援失敗もあって有利な状況になる。乗ったターンは『力を貸して!』でルーテを出されるが、この時点で手札が少なかったためあまり驚異にはならず。手札にオルエンを抱えてしまうミスもあって怖かったので、セリスで壁にしつつ盤面を取る。オーブはお互い残っていたものの、一気に手札差を押し付けて勝利。
個人4-2、チーム3-3で7位という結果でした。
・不利な相手デッキ
1.戦闘力40の1cを序盤から並べるデッキ
→1c帯の戦闘力が主人公含めて低く、処理がしんどい。CCした後も攻撃を通してくるためダメージレースで負けやすいです。
2.暗闇の紋章を大量に搭載したデッキ
→手札が5枚以上になることが多く、刺さりやすい。数回であれば問題ないが、4cカナス等で何度も適用されるとドローで集めたアドバンテージが帳消しにされてしまいます。
<総括と構築の変遷>
黄色のカードを効果的に使用しつつ継続ドロー+フレッドによる高打点を押し付ける動きは強く、5割以上の勝率を取れています。特に、赤青チキのような序盤が脆い待ちデッキに対してはオルエンが射程を持っていることもあって有利と言えます。
構築初期は黄赤という色の組み合わせでOCエフィやメイを入れていましたが、絆管理のためドローが制限されてしまうことや、詰めの場面で色が足りない場面があり、それらが原因で負けるといったことが何度もありました。黄単にしたことで詰めの自由度が広がり、増えた手札をフル活用してパンチ数を確保でき勝率が向上しました。
また、黄単にしてしばらくはユリアが入っていませんでしたが、1cと4cを同時に入れることで動きの幅が大幅に広がりました。絆ブーストと表絆の増加は詰めの高速化にも繋がります。
以上、【黄単オルエン】(フリージターボ)の紹介でした。
もし興味があれば、使ってみて下さい。
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こちらも面白いデッキですので、是非ご覧ください。